摂らなければならない栄養素の量やバランスは活動量やライフステージによって異なる

1)皆、それぞれに適した栄養摂取が必要

私たちは、普段健康であっても、ときに体調を崩すことがあります。
そんな時、普段と同じような食事をとれないことがあります。
しかし、体調に合わせた食事を少しでも摂ると、回復を早めることができることがあります。

その時その時、必要とされるものを、コンディションに合わせて用意すると、体がきちんと答えてくれることは多いのです。
さて、普段、健康と思われる私たちの体も、実は一生という長いスパンの中のどこにいるかで、微妙にコンディションは違っています。
また、男性か女性かという点でも、少し差があります。
体を大きく、さらに成熟させようとしている成長期と、活動による疲労回復と健康維持を狙う成人期、また、新しい命の芽生えを請け負う妊娠・出産期、ついで、代謝サイクルの頻度が減ってくる高齢期のどこにいるか、によって体が要求する栄養は異なるのです。

このような差を理解せずに、「好き嫌い」だけに偏った食事をしていると、体の要求に応じられないまま、その時期を、言ってみれば栄養失調の状態にさせかねません。
摂るべき栄養がとれない状態が続くと、思わぬ怪我や病気の元にもなりかねません。

2)日本人の食事摂取量

そこで多くの統計や研究から、男女別、各ライフステージ別に、適当とされる、おおよその数値が示されています。
日本においては、厚生労働省によって「日本人の食事摂取基準」という指標が示されています。
これらの指標は、あくまで目安ですが、ここからあまり逸脱した食生活を長く続けると、様々な支障を来す恐れがあるとされていて、各個人がある程度抑えておいたほうがいいものです。

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)