体をつくる多くの細胞のために

私たちの体は多くの細胞からできています。細胞が集まり、組織を作り、さらに組織は器官をつくり、互いに接続したり、連携して、体を作り上げています。

このように多くの細胞が集まり、高度に発達したことによって、私たちは、過酷な環境でも生き延び、子孫を残し、なおかつ長く生きることができるのです。

さて、細胞の活動には必要な材料があります。水や、光、また、空気中や土壌に含まれる酸素や炭素や窒素、リン、ミネラルだったりします。さらに、多くの細胞からなる体を持つ生物は、それだけ多くの材料が必要になります。私たちのように高度に発達した器官や組織をもち、細胞の種類もいくつも持つような生物は、さらに多くの種類の材料も必要です。

多くの細胞や組織同士が連携する私たちの体内では、それらが互いに互いの必要な材料を補うような仕組み、つまり、必要な材料を、限られた材料から自分で合成し、活用するしくみも持っています。しかし、それでも足りないものや、進化の過程で手放してきた機能がありました。

自分だけでは、どうしても賄いきれない材料は、必要になる都度、見つけて捉え、取り込まなければなりません。
外部にある材料を調達し、取り込む作業の一環が「食べる」ということなのです。

参考:新・細胞の起原と進化  P.182,183   図6-17 500種の化学反応が連係している(アルバーツら)。